INTERVIEW便利なプラスチックをより使いやすく
塚田 隆太郎
(総合職:入社9年目)
柔らかくしたり、酸化を防いだり、静電気を帯びにくくするなど、プラスチックに特別な機能を与える素材を、私が所属する化学品・添加剤本部では扱っています。その中で私が主に担当しているのは、ゴムを合成する際に使う乳化剤および、樹脂を柔らかくする可塑剤。全体では輸出・輸入・三国間取引で7割を占めるほど貿易比率の高い部署ですが、私自身は仕入先、販売先とも国内を中心に担当しています。しかし最近では、ユーザーが求める調達先の多様化や価格競争力の強化のため、海外の取引先開拓にも取り組み始めています。
仕事上で日頃から心がけていることを
教えてください。
商社の営業担当として基本的なことだと思うのですが、仕入先・販売先のお客様、それぞれが何を望んでいるのかをしっかり理解するよう心がけています。そのために大切なのは、労を惜しまずお客様へ足を運び、フェイス・トゥ・フェイスで会話すること。表情を見ながら話をしなければ、真意はつかみきれないと考えています。仕入先と販売先の利害関係は一致しないことが多いもので、だからこそ両者の意向を的確に理解してそれぞれの立場に立ち、裁量の落としどころを見出すようにしています。
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ご自身の営業活動の実際を、具体例を
あげて紹介していただけますか。例えば私の担当アイテムの中に、自動車の合皮シートに使われる可塑剤(シートを柔らかくする添加剤)があります。塩化ビニル製の合皮には、高温にさらされると内部の油分が揮発して、車内を曇らせてしまうという問題があるのですが、それを抑える機能も備えた付加価値の高い可塑剤です。これには石油由来と植物由来のものがあり、私が扱っている植物由来の可塑剤の採用シェアをいかに高めるかが自分の役割。環境への優しさを強みにしつつ、天然原料ゆえの価格変動をどう吸収してシェアアップにつなげるかに努めています。
また、某メーカーとの新たな取り組みでは、商流の一元化によるビジネス規模の拡大を進めています。これは、別の会社での加工工程を経てユーザーに納められているものを、そのメーカー自身で加工まで行い、ユーザーに直接納めようというもの。当然、添加剤単体よりビジネス規模は大きくなり、窓口が1つになってユーザーの利便性も高まります。これについては共同開発案件として、私は技術的な情報収集やユーザーとの調整役を担っています。
海外との仕事も始まっているとのことですが。
部署全体では海外とのビジネスが多いのですが、私自身はこれまで国内での仕事がほとんどでした。それが最近、中国のメーカーからゴム用の添加剤原料を輸入するビジネスが立ち上がり、担当として具体化を進めているところです。
実は私は、大学時代に中国に1年間の語学留学をして、その経験を活かせる仕事に就きたいと三井物産プラスチックに入社しました。だからこそ、自分の夢に近づくことができた特別な想いを持ってこの仕事に取り組んでいます。中国とのビジネスでも、基本的には英語でのやり取りが中心になります。ただ、現場の工場責任者などとは、中国語が使えればより深い話ができるのも事実。自分の語学力を活かし、より良いビジネスにしたいと取り組んでいます。
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今後の目標、夢は?
私は入社から9年、ずっと添加剤を担当してきました。他の製品も担当して視野を広げたいという気持ちがあると同時に、これが自分の専門性となり強みになるのでは、という思いも抱き始めています。いずれにしても「この製品なら塚田に」「このお取引先のことは塚田に」と、皆から認められ、頼られる存在になるのが大きな目標です。