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pic業界を知る2022年10月3日

バイオプラスチックって何を選べばいい?

よく聞くお悩みとはじめに整理しておきたい3つのポイント

2022年4月1日よりプラスチック資源循環法が施行されました。同法への対応手段の1つとなる“バイオプラスチックの導入”について、「導入はしたいが、何が自社に合うのか分からない」といったケースが多い様です。 当記事では、バイオプラスチックを検討する際に整理しておきたい3つのポイントをお伝えさせて頂きます。

≪バイオプラスチック導入にあたり、整理しておきたい3つのポイント≫

  1. 紙や木など見た目で環境製品だと分かる方が良いか?
  2. 生分解性/非生分解性?
  3. 現行品と全く同等の物性を達成することが絶対条件か?
以下、それぞれのポイントについてご説明いたします。


ポイント①紙や木など見た目で環境配慮製品だと分かる方が良いか?

最終的に消費者が手にする製品で、企業が脱プラ・環境への配慮を行っていることを分かりやすく伝えることを目的とする場合、一目で環境対応製品だとわかる素材を活用することも有効な手段です。その場合、紙や木のような天然物を含む材料を選定すると、視覚や触感等、直感的に環境配慮を行っていることが分かりやすい製品となります。 通常のプラスチック成形機で成形可能な材料を選ぶ場合、天然物の含有比率が高いバイオプラスチックを使用すると視覚的に分かりやすい製品を作ることが可能です。一方で、天然物の含有量を上げようとすると、材料や製品に合わせた成形温度等の製造条件の調整が必要となる場合があります。


ポイント②生分解性/非生分解性?

海洋や土壌といった自然環境に流出してしまう恐れがある用途や、肥料被覆材等の高い強度や耐久性が求められない製品の場合、生分解性の材料の使用が適していると環境省から推奨されています。 生分解性材料を選定する場合、その材料が分解環境に適した機能を持っているかどうかの確認が必要です。一定の耐久性が求められる用途には生分解性の材料に限らず、他のバイオプラスチックの使用が適切な場合もあります。


ポイント③現行品と全く同等の物性を達成することが絶対条件か?

環境に配慮したものづくりを考える場合、現行のプラスチック製品と同じレベルの物性値を達成することが絶対条件かどうか、という観点があります。物性の維持にこだわらない場合、紙や木といった天然物の採用、製品の薄肉化、リサイクル材料の使用も手段や1つです。 現行製品と近しい物性値でのものづくりを目指す場合、バイオプラスチックの採用も有効な手段となります。

バイオプラスチックとは?

バイオプラスチックは「バイオマスプラスチック」と「生分解性プラスチック」の総称です。 バイオマスプラスチックは必ずしも生分解性を持たず、生分解性プラスチックも必ずしもバイオマス由来ではないため、「バイオプラスチック」、「バイオマスプラスチック」、「生分解性プラスチック」の言葉の定義を理解し、区別する必要があります。 バイオマスプラスチックとは、お米やトウモロコシ、サトウキビなどといった植物由来の原料を使用して作られたプラスチックを指します。従来のプラスチックは地中から掘り出した石油という有限な化石資源を原料としており、地球上のCO2量を増加させることなしに生産することができません。 一方、バイオマスプラスチックは原料に再生可能な有機資源であるバイオマスを含むことから、有限資源である石油の使用を削減できる他、原料となるバイオマス自体その生育過程でCO2を吸収するため、従来のプラスチックに比べ、CO2の排出を抑制することができます。

まとめ

環境配慮型の製品開発やバイオプラスチックの導入にあたっては、直観的に環境配慮した製品だと分かった方がいいのか、生分解が必要か、現行品と同等の物性が必要なのか等、用途や目的に応じて最終的に達成したいゴールを設定し、最適な材料を選定することが重要です。 三井物産プラスチックでは、バイオプラスチックの選定・導入、環境認証制度に関するご不明点やお悩み、 プラスチック資源循環法対応や成形要件の整理等のご相談にも対応しております。 バイオプラスチックに関するお悩みやお困りごとがございましたら、お気軽にお問合せ下さい。

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