素材を知る2026年3月13日
アドブルー/AdBlue(尿素水)がなくなるとどうなる?供給不足への対策と今後の見通しを解説

ディーゼル車の排ガス浄化に欠かせない「アドブルー(尿素水)」は、近年その供給をめぐって大きな課題に直面しています。特に2021年末から2022年初頭にかけての不足は、多くの業界に混乱をもたらしました。この記事では、当時の背景を振り返るとともに、今後の需要動向、リスク、そしてユーザーとして備えるべき対策についてわかりやすく解説します。
2021年末〜2022年に起きたアドブルー不足とは?
2021年末から2022年初頭にかけて、日本国内でディーゼル車用の排ガス浄化液「アドブルー」が品薄状態に陥ったのをご存じでしょうか。この不足の主な要因は、尿素の原産国である中国による輸出制限です。中国では2021年10月、石炭や天然ガス価格の高騰などを背景に、肥料用途での国内需要を優先するため尿素の輸出管理を強化しました。これにより、尿素を原料とするアドブルーの国際的な供給バランスが崩れ、とくに韓国ではトラックの運行ができなくなるほどの混乱が発生し、一時は消防車や救急車などの緊急車両まで走行不能に陥るおそれがあると懸念されました。現在もなお、中国など主要供給国による輸出規制が断続的に行われており、状況は依然として不安定で、同様の事態が再び発生する可能性も決してゼロではありません。

当初は日本国内に影響は少ないと見られていましたが、11月以降、アドブルーの入手困難や価格の高騰が目立つように。地方を中心に「どこにも在庫がない」「価格が4倍以上に上がった」といった声が聞かれ、フリマアプリやオークションサイトでは通常の数倍の価格で転売されるケースが問題となっていました。
物流業界では「韓国のようにトラックが走れなくなるのでは」といった危機感が高まり、とくに冬季には除雪車などの作業車両がアドブルー不足で稼働できなくなるリスクも指摘され、社会インフラへの影響が懸念されました。
こうした事態を受けて、日本政府は尿素の輸入先の多様化や国内メーカーへの増産要請といった緊急対応に乗り出すことに。経済産業省は「2022年1月には供給が緩和される」との見通しを示し、その後は徐々に市場の混乱も落ち着きを見せたという経緯があります。
今後のアドブルー市場の見通しは?

近年、環境規制が強化され、欧州、北米、日本などでは排ガス規制が年々厳しくなっています。それに伴い、ディーゼル車から排出される有害物質を無害化するアドブルーも、その需要が着実に伸びています。今後は、建設機械や農業機械といった非道路移動機械への適用拡大や、新興国市場での商用車需要の増加も追い風となる見込みです。
一方で、電気自動車の普及や原材料価格の変動といったリスク要因も存在しており、今後の市場動向を注視する必要があるでしょう。とくに、過去に経験したようなアドブルーの供給不足を繰り返さないためにも、ユーザーや事業者は需給の変化に敏感になり、安定供給を担える製品や流通経路を意識することが求められます。
アドブルーユーザーがすべき対策とは?

アドブルーはディーゼル車の排出ガス浄化に欠かせない存在ですが、安定供給にはいくつかのリスクが残されています。ユーザーとしても、過去の供給不足を教訓に、日頃からの備えが必要です。
まず、原料依存の偏りに注意が必要です。アドブルーの主成分である尿素は多くを海外から輸入しており、中国やマレーシアなどに調達を依存しています。もし輸出規制や国際的な混乱が発生すれば、日本国内で再び品薄や価格高騰が起こる可能性があります。
また、電気自動車(EV)の普及や代替技術の進歩により、将来的にはディーゼル車の台数が減っていくと考えられています。つまり、長い目で見ればアドブルーの需要も少なくなっていく可能性があるということ。しかし、すぐにディーゼル車がなくなるわけではなく、現在はむしろディーゼル車が多く使われているため、アドブルーの需要は当面のあいだ増え続けると見込まれています。こうした「将来は減るが今は増えている」という状況が続くと、メーカーが供給量を増やしづらくなり、需要と供給のバランスが崩れやすくなります。その結果、品薄や価格の変動が起こりやすくなるリスクがあるわけです。
こうしたリスクに備えるため、ユーザーが日頃から行うべき対策は以下のとおりです。
① 適正な在庫を確保する
業務用車両を多く抱える事業者は、数週間〜1か月分の在庫を備蓄しておくと安心です。ただし、過度な買い占めは市場の混乱を招くため、消費ペースに見合った適正量を意識しましょう。あわせて、アドブルーは直射日光を避けた冷暗所で保管し、使用期限(未開封で通常1年)を過ぎないよう管理することも重要です。
②信頼できるメーカーを選ぶ
アドブルーの品質は製造工程と管理体制に大きく左右されます。信頼できるのは、高純度な尿素を使用し、JIS認証を受けた国内工場で生産され、全ロット検査を実施している製品です。結晶化や詰まりなどSCRシステムへの悪影響を抑え、安定供給の体制も整っているため、運用面でも安心して使用できます。
③市場の動向に関心を持つ
アドブルーの価格や供給に影響する外部要因は、国際情勢や原料価格などさまざまです。過去の供給不安を教訓に、日頃から業界ニュースやメーカー発信の情報にアンテナを張っておくことが重要です。動向を見極めて備蓄や購入時期を判断できるよう、必要に応じて信頼できる代理店やメーカーから情報を得ることも有効な手段です。
不測の事態が招くアドブルー不足に、「三井のアドブルー」という選択肢

こうした対策を講じるうえで、信頼できるメーカーや代理店の製品を選ぶことは、最も重要な備えのひとつです。なかでも注目されているのが、三井のアドブルーです。
同社は日本で初めてアドブルーの製造を開始したメーカーであり、尿素原料の製造からアドブルー製品の生産・検査・出荷までをすべて国内で完結しています。年間35万トンという国内最大規模の尿素生産能力と、JIS認証を取得した9つの工場での全ロット検査体制により、常に高い品質を維持。SCRシステムへの悪影響となる不純物を限りなく低減しています。
また、全国20か所に配送拠点を構えており、原則4営業日以内のスピーディーな納品(※一部地域を除く)にも対応。10LのBIB(バッグ・イン・ボックス)から大型のIBCタンクまで、使用量や現場条件に応じた容器ラインアップも豊富です。
不安定な国際情勢が続くいまこそ、「国内製造・高品質・安定供給」を兼ね備えた製品の選択が、事業継続のカギを握ります。アドブルー不足に備えるなら、信頼と実績のある三井のアドブルーが、最適な選択肢となるでしょう。
アドブルー不足を懸念される企業様は、ぜひお気軽にお問合せください。







