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pic素材を知る2026年3月31日

高速道路など土木・インフラの補修で選ばれる素材へ。広がるシリコーンシーリング材の活用

東京ビッグサイトで開催された「ハイウェイテクノフェア2025」。 三井物産プラスチック株式会社とダウ・東レ株式会社は、 今年も高速道路など土木・インフラの補修向けシリコーンシーリング材を出展しました。 展示ブースには例年以上の人だかりができ、 “補修・維持管理の新たな手法”に関心を寄せる来場者が後を絶ちませんでした。ここでは、関係者の皆さんから伺った、今年の展示の手応えや市場の変化についてご紹介します。

高速道路など、土木・インフラの長寿命化への関心が急伸

── まず、今年の会場の様子はいかがでしたか?

伊藤さん(ダウ・東レ、以下敬称略):今年は本当に人が多かったです。体感的には昨年比で1.5倍以上。“補修”“長寿命化”“省力化”“脱炭素”といった言葉がどのブースにも掲げられていて、明らかに現場の課題解決を目的に来場している方が増えていましたね。なんとなく見に来ているというより、“今困っている”という方が多かった印象です。当社のブースにいらっしゃったのは、ゼネコンの方やコンクリート二次製品メーカー、設計コンサルタントなど、多種多様でした。

阪下さん(ダウ・東レ、以下敬称略):例年、初日の午前中は比較的ゆったりしているのですが、 今年は開始直後からブース前が人でいっぱいに。用意していたアンケートも足りなくなるほどでした。 “課題を抱えたプロフェッショナル”が集まっていたと感じます。

── 昨年の取材では、シリコーンシーリング材の認知度について変化を感じられたとおっしゃっていましたが、今年はいかがでしたか?

伊藤(ダウ・東レ):今年は特に大きく変わりましたね。 初回の展示では“シリコーンって何?”という反応が多かったのですが、 今は“ポリウレタンや変成シリコーンより長持ちするよね”といった理解から話が始まるように。 つまり、“認知”から“使い方・施工方法の議論”に移っているという印象です。

阪下(ダウ・東レ):今年は施工手順パネルを大きく打ち出したのですが、 “どうやって施工するの?”という具体的な質問がとても多かったですね。 製品そのものより、“どのくらい省力化できるか”“誰でも施工できるか”など、 施工性そのものへの関心が高まっていると感じます。

── 展示内容の中で、特に反響が大きかったポイントはありますか?

阪下(ダウ・東レ):一番の反応は、“5年経過の有機系材”と“10年経過のシリコーン材”の比較パネルでした。 有機系は5年でボロボロ、シリコーンは10年でも弾力を保っている。 “違いが一目瞭然”なのです。

── 見てすぐわかる違いが重要なのですね。

伊藤(ダウ・東レ):そうですね。さらに、来場者が実際にサンプルを手で伸ばせる体験も用意しました。 “これ、全然切れないのですね”と驚かれる方が多かった。 触れて体感できる展示は、説得力が違いますね。

伸縮装置の補修工事でシリコーンシーリング材の採用が決定

── インフラ分野は新設よりも、長寿命化・維持管理にシフトしていますよね。 国のスタンスとしても、“今あるものを長く使う”方向です。

阪下(ダウ・東レ):はい。高速道路にある伸縮装置の補修では、伸縮装置そのものはそのままにして、 劣化した部分にシリコーンシーリング材で補修することができます。お客様にとっても、構造物を丸ごと取り替えるより、部分補修で長く持たせられるのは非常に魅力的だと思います。

── ジョイント部の水漏れを、シリコーンだけで解決できるという提案ですね。

阪下(ダウ・東レ):実際にそうした補修が進んでいますし、そこに関心を示すお客様が非常に多いです。すでに一部では採用実績もありますので、 “実際に使われている”という事例を添えるだけで、説得力が増しますね。

── 実際の施工現場への導入も進んでいると伺いました。

小山(三井物産プラスチック):そうです。高速道路の伸縮装置補修で、シリコーンシーリング材の大規模採用が決定しました。以前のハイウェイテクノフェアにてブースを訪問いただいた、高速道路の維持・管理、運営を行っている大手企業様です。それから長期にわたってお客様施設内で試験施工を重ね、結果が良好だったことで本格採用に至りました。

── 展示会での出会いが実案件につながったのですね。すばらしいです。

小山(三井物産プラスチック):今回も写真を展示していますが、従来の有機系材料(ポリウレタンなど)は、約5年でひび割れや劣化が目立ちます。それに対してシリコーンは、補修サイクルを大幅に延ばせる。 この“長寿命化”が、やはり採用の決め手になりましたね。

“長寿命×脱炭素”の時代へ――「解決策」としての素材へ

──今年は“環境対応”も大きなテーマでした。

片寄(三井物産プラスチック): まさに展示会全体が“脱炭素”ムードでした。 コンクリートやアスファルト関連ブースも“省力化×サステナビリティ”を掲げていて。私たちのブースでも、ダウのシリコーンのカーボンニュートラル化を紹介しました。実は、シリコーン1kgを製造すると7〜10kgのCO₂が発生します。ダウでは製造工程を改良して排出を半減し、残りは自社の森林保護活動でインセットすることもできます。“長寿命で廃棄を減らす”だけでなく、製造段階でもCO₂を抑えて低炭素化・脱炭素化に貢献する。この姿勢は多くの来場者に響いたと感じています。

── 現場でも、性能だけでなく環境面が重視されるようになってきましたか?

伊藤(ダウ・東レ):そうですね。“今困っている”という具体的な課題を持つ方が増え、伸縮装置だけでなく、橋梁・農業用水路・浄水場など、 さまざまな現場の担当者が“これで解決できるかもしれない”と興味を持ってくださっています。

片寄(三井物産プラスチック):“いい製品を紹介する”から、“課題解決を提案する”へと、展示会の意味が明確に変わってきましたね。

── まさに、製品からソリューションへ進化していますね。 今後の展望をお聞かせください。

伊藤(ダウ・東レ):以前よりだいぶ認知されるようにはなりましたが、まだまだ継続的に認知を広げる施策は必要だと思っています。引き続きシリコーンシーリング材における弊社のブランド力を上げていきたいですね。さらに これからは、“どの現場で、どのくらいの寿命を求めるか”を前提に、用途ごとに最適な提案をしていきたい。高速道路、橋梁、農業用水路――現場ごとに求められる耐久年数は違いますから。

片寄(三井物産プラスチック):以前はお客様のニーズや期待がどこにあるのかつかめなかったのですが、こういった直接コミュニケーションできる場などを活用して、かなりお困りごとがわかるようになってきました。今後もこのような場をきっかけにして、試験施工→採用→横展開という流れを定着させたいです。 PLAS MIRAI+特設ページからのサンプル請求も増えていますので、展示とデジタルを両輪に、“知ってもらう”から“使ってもらう”へ広げていきたいですね。

PROFILE
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伊藤 秀樹さん
ダウ・東レ株式会社
マーケティング部 マーケティングマネジャー(北アジアエリア担当)。2022年中途入社。
前職では、大手化学メーカーにて、主に建設市場や工業用製品市場を中心に、営業やマーケティングに従事。最大手EC企業での経験を経てダウ・東レに入社。
現在、事業開発とマーケティングを兼務しながら、同社シリコーンシーリング材の事業拡大に尽力中。

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阪下 智之さん
ダウ・東レ株式会社
シーラント部 部長。1992年入社。自動車・OA・家電向けシリコーンゴムビジネスに従事、2007年から建築・土木向けシリコーンシーラントビジネスに携わり、シリコーンシーリング材の事業拡大に尽力中。

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小山 司
三井物産プラスチック株式会社
営業第4部門 国内ネットワーク推進事業部 産業インフラ材料グループ
建設市場、土木・インフラ市場へのシリコーンシーリング材販売に従事。
インフラ市場向けシリコーン提案の中心として取り組み中。

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片寄 一郎
三井物産プラスチック株式会社
2019年に三井物産プラスチック株式会社入社
前職は大手化学メーカに勤務し主に建築土木用のシーリング販売に携わる。
現在、土木インフラ市場の調査ならびに商材拡販を展開中。

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