トピックス2025年6月3日
3PL企業とは?意味や4PLとの違い、導入メリットを紹介

製造業界は、グローバル競争の激化や技術革新に伴い、品質向上やコスト効率、迅速な市場対応が求められるなか、原材料の調達から製品出荷まで、サプライチェーン全体の最適化が重要な課題となっています。そんな背景から、従来の物流にとどまらず、製造プロセス全体の効率化やリスク管理を実現するために、調達業務や在庫管理などを一括して委託する「3PL(サードパーティ・ロジスティクス)」の導入が注目されています。本記事では、3PLの基本的な意味と導入メリット、さらに三井物産プラスチックが行っている3PLとしての業務をご紹介。製造業の競争力強化を目指す企業の方は、ぜひ参考にしてください。
3PLの意味や4PLとの違いは?
3PL(サードパーティ・ロジスティクス)とは、企業が自社の物流業務を外部の専門業者に委託するサービス形態を指します。従来、企業は自社で倉庫管理や配送を行うのが一般的でしたが、近年は物流の効率化やコスト削減を目的に、物流専門企業へアウトソーシングするケースが増えています。3PLの役割は単なる運送や保管にとどまらず、物流戦略の立案や業務改善の提案など、包括的なサポートを行う点に特徴があります。荷主企業と物流企業がパートナーとして協力し、最適な物流体制を構築することで、リードタイムの短縮や在庫管理の精度向上を実現します。
それに対し4PL(フォースパーティ・ロジスティクス)は、さらに上流の立場で物流全体の設計や管理、改善提案を行うコンサルタント的な役割を担います。3PLが現場作業に強みがあるのに対し、4PLはサプライチェーン全体を最適化する視点が特徴で、サプライチェーン全体の「司令塔」として機能します。さらに、グローバルなネットワークの構築や、調達や物流のリスクマネジメント(BCP対策)など、より広範で高度な役割を担うため、近年ますます注目される存在となっています。
3PL・4PLの具体的なサービス内容は?
3PLや4PL事業者に委託できる業務は多岐に渡りますが、主なサービスは以下です。自社の課題に応じてサービスをアレンジしてもらうのが一般的で、自社のリソースや経営戦略を踏まえ、どのように業務を切り分けるのがよいかを相談するとよいでしょう。
3PLが提供する主なサービス
- 倉庫管理:商品の入出庫、在庫管理、棚卸し、ピッキング作業
- 輸配送:トラックや鉄道、航空便などを使った輸送手配と実際の輸送業務
- 流通加工:商品のラベル貼りやセット組み、検品作業など
- システム提供:WMS(倉庫管理システム)やTMS(輸配送管理システム)による支援
- 業務改善提案:コスト削減や作業効率化のための現場改善提案
4PLの主なサービス
- 需要予測・データ分析:過去データや市場動向から需要を予測し生産計画へアドバイス
- 調達・購買:最適な調達計画の立案、調達先の選定、依頼
- 在庫管理:在庫の最適化を図り、過剰在庫や欠品を防ぐ
- 業者選定・統括管理:複数の3PLや運送会社を横断的に管理・評価
- リスクマネジメント:災害・トラブル時の対応計画策定と実施
- DX推進:最新テクノロジー(IoT、AIなど)を活用した物流最適化
- グローバル物流対応:海外拠点や越境物流の設計・管理
3PLを導入するメリットは?
3PLを導入するメリットの一つとして、コスト削減が挙げられます。自社で倉庫や車両を保有し、専門スタッフを抱える場合、設備投資や人件費といった固定費が大きな負担になります。しかし、3PLを活用すれば一連の業務を委託することができ、固定費の大きな削減につながります。さらに、3PL事業者は複数の荷主企業の業務をまとめて受託するため、スケールメリットを活かした効率的な運営が可能です。例えば、倉庫や輸配送ネットワークを複数の荷主でシェアすることで、保管や輸送単価を引き下げることができます。
導入メリットの二つ目は、業務効率の向上です。専門企業が持つ標準化された作業手順や効率的なオペレーションを活用することで、倉庫管理や輸配送業務がスムーズに進み、リードタイムの短縮や作業ミスの削減につながります。また、3PL事業者は物流に関する専門知識や経験が豊富なため、突発的なトラブルや需要の急増といった変化にも迅速に対応できます。特に繁忙期や災害時など、自社対応では難しい状況でも、3PLのネットワークやリソースを活かして柔軟に対応できるのは大きなメリットです。
導入メリットの三つ目は、リスク管理の強化が図れる点です。物流業務を3PLへ分散・委託することで、災害やトラブル時のリスク分散にもつながります。例えば、自社倉庫が被災した場合、業務がすべて停止するリスクがありますが、複数の物流拠点を活用する3PLなら、他拠点への切り替えや代替輸送の手配が迅速に行えるため、BCP対策として有効です。こうした柔軟性とリスク管理の強化は、不確実性の高い時代に対応するために不可欠なポイントと言えます。
このようなメリットにより、企業は自社の経営資源を本業に集中させることができるようになります。物流は企業活動にとって重要な機能ですが、競争力の源泉となる商品開発やマーケティング、販売戦略といったコアビジネスとは異なり、企業ごとの差別化が難しい分野です。そこで、物流業務を3PLに任せることで、人材や資金、時間といったリソースを本業に振り向けることが可能になり、変化が激しい市場環境でも競争力を強化することが可能になります。単なるコスト削減ではなく、本業への集中と物流品質向上を両立できるのが、3PL導入の大きなメリットと言えるでしょう。
製造業の物流業務をサポートする三井物産プラスチックのサービスとは?
三井物産プラスチック株式会社は、三井物産グループのネットワークを活かし、3PL・4PL事業者として多くの製造業のSCM(サプライチェーン・マネジメント)を支援しています。3PL・4PL事業者にはさまざまなタイプの企業がありますが、三井物産プラスチックの特徴は、SCM全体を一括で受託できるという点にあります。
三井物産プラスチックのSCMは単なる物流代行ではなく、需要予測を支援する情報提供や、調達・購買、生産計画、在庫管理、納期調整まで幅広くサポートします。特に三井物産グループの広範なネットワークを活かし、国内外の市場動向やサプライヤー情報をリアルタイムで把握することで、調達リスクを最小化し、セカンドソースの確保や安定供給を実現する点が大きな強み。また、現場に密着した細やかな対応力にも定評があり、納期調整やトラブル対応など、日々の業務の「泥臭い部分」にまで踏み込んでサポートすることが可能です。その結果、膨大な原料や部材を扱い、調整が特に難しい機械類の製造業からも多くの支持をいただいています。
こうした実務力に加え、世界情勢の変化に対しても知見があるため、BCP対策としても頼りになる存在に。企業の成長を共に目指す伴走型パートナーとして、中核事業に集中できる環境づくりを全力でサポートする。それが三井物産プラスチックのSCMです。
3PL事業者をお探しの企業様、物流業務に課題を抱えている企業様は、ぜひ一度三井物産プラスチックへご相談ください。