トピックス2026年2月16日
現在、物流現場で起きている課題とは?物流業界の現状と資材でできる対策とは?

物流ドライバーの労働時間規制をきっかけに、今なお混乱が続く「2024年問題」。ドライバー不足や荷待ちの長時間化など、現場の課題は深刻さを増しています。一方で、パレット・コンテナなどの“物流資材”領域では、想定されたような混乱は限定的で、「ほぼ無風」に近い手触りだったという現場の声も少なくなく、影響度には明確な温度差が見られました。 本記事では、業界全体の最新動向を整理するとともに、各企業の多様な取り組み事例をご紹介。さらに、大きな投資を伴わず“無風”だった資材の見直しから着手できる改善策も詳しく解説します。
現在物流現場で起きている課題とは?

「物流2024年問題」とは、2024年4月1日より施行された「働き方改革関連法」により、トラックドライバーの時間外労働が年間960時間に制限されることによって発生する、物流業界全体への深刻な影響を指します。この制度は、ドライバーの過重労働を是正し、健康と労働環境を守ることを目的として制定されました。
しかし、その一方で大きな課題が浮かび上がっています。長時間労働に依存していた従来の物流体制では、労働時間の上限が設けられることにより、1人のドライバーが担当できる配送量が減少します。国土交通省の試算によると、対応を行わなければ2030年には輸送能力が34%不足する可能性があるとされています。
実際、現場ではその影響が顕在化しつつあります。NHKの報道によれば、引っ越しの荷物が期日通りに届かず、転勤が延期になるなど「モノが届かない」事例が各地で発生しているとのこと。また、ドライバーの「荷待ち時間」が長時間に及び、中には年間600時間以上に達するケースもあるようです。この荷待ちも拘束時間に含まれるため、労働時間の上限を圧迫する一因となっています。
さらに、規制を順守して運行時間を短縮した場合、ドライバーの収入が減少するという問題も深刻です。月に7万円近く収入が下がるケースもあり、「真面目に対応した事業者が損をする」という声も上がっています。
国交省では「トラックGメン」と呼ばれる専門チームを設置し、荷主企業に対して改善勧告を行うなどの対応を進めていますが、構造的課題は根深く、中小事業者では対応が追いつかない例も少なくありません。
ここで押さえたいのは、影響の“濃淡”です。ドライバーや運行現場では風当たりが強かった一方、パレット・コンテナ・梱包材などの“物流資材”サイドは大きなサプライ混乱や需給逼迫は見られず、「比較的落ち着いていた(=無風に近い)」というのが実感です。むしろ、現場効率化に向けた資材見直しの相談が増えるなど、静かな追い風も確認できます。
物流業界の現状は?
物流2024年問題の影響は、運送業に大きな影響がある状態です。
帝国データバンク(TDB)の調査によると、2025年上期(1〜6月)に人手不足を原因とする企業倒産は202件にのぼり、2年連続で過去最多を更新しました。なかでも物流業の倒産件数は28件に達し、「2024年問題」が懸念されていた建設業と合わせると、全体の約4割を占めています。
最大の課題は「ドライバー不足」と「高齢化」です。全日本トラック協会によると、トラックドライバーの平均年齢はすでに50歳を超えており、若年層の参入が少ないことから、将来的な労働力確保に不安が広がっています。TDBの別調査(2025年4月時点)でも、正社員の人手不足を感じている企業は全体で51.4%に達し、とくに道路貨物運送業では72.2%と、全業種平均を大きく上回る結果となりました。
また、長時間労働に依存していた収益構造が限界を迎え、業界全体での賃上げや労働環境改善が急務となっています。しかしながら、こうした改善にはコストが伴い、それを価格に転嫁しきれないケースも多く、経営の圧迫要因となっているのが現状です。
一方で、資材調達・更新の現場は相対的に安定して推移。パレットや折りたたみコンテナ、IBC などの手当は平常運転で、 「ドライバー領域は荒天、資材領域は凪」 という二層構造がここ1年の実態でした。だからこそ、 “まず資材から” の改善は時間・コスト両面で着手しやすい選択肢になっています。
物流業界で取り組まれている対策とは?

このような物流2024年問題に対処するため、業界全体でさまざまな対策が進められています。
注目されているのが、人材の定着や新たな採用の促進です。まず、女性ドライバーの採用を進める動きが広がりつつあり、これまで力仕事が多く敬遠されがちだった分野でも、テールゲートリフター(昇降装置)の導入などにより、女性でも無理なく作業できる環境を整える企業が出始めています。実際に、建設資材やドラム缶を扱うとある老舗の運送会社では、初めて採用された女性ドライバーが活躍しており、今後さらに女性の活用が進むと見られています。
さらに、外国人ドライバーの採用も拡大傾向にあります。とある大手物流企業では、特定技能制度を活用し、インドネシアからの人材受け入れを本格的にスタート。現地に自動車学校を設立し、日本語や日本の交通ルールなどを学べる教育体制を整えています。今後10年で、ドライバーの約3割を外国人が占める体制を目指しており、業界全体で外国人材の活用が加速しています。
次に重要なのが、「業務の効率化とデジタル技術の活用」です。たとえば、トラックの運行状況や倉庫内の在庫をパソコンやタブレットで管理できるシステムを導入する企業が増えています。これにより、無駄な待ち時間や荷物の積み間違いといったミスを減らすことができ、現場の負担も軽くなります。また、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)を活用して、商品の需要を予測したり、トラックの動きを効率よく管理したりする取り組みも進んでいます。とある大手小売グループでは、AIカメラを搭載した荷降ろし用ロボットの実証実験を開始。人手が足りない夜間でもロボットが作業を補助できるようにするなど、新たな工夫が現場で始まっています
また、トラックの自動運転技術の実用化も始まっており、とあるスタートアップ企業は、関東〜関西間で自動運転トラックの商用運行を開始しました。現在はドライバー同乗の「レベル2」での運用ですが、2027年には完全自動運転「レベル4」による幹線輸送の実現を目指しています。
さらに、トラックに過度に依存しない「モーダルシフト」も注目されています。鉄道や船舶を活用した中長距離輸送への切り替えや、複数企業による「共同配送」によって、輸送効率を高める動きが広がっています。たとえば、ある製薬会社では、トラックによる幹線輸送を鉄道に切り替える取り組みを他3社と協業して実施しました。従来、10トントラック分の荷物を輸送するには鉄道コンテナ3個以上が必要とされていましたが、試験輸送を重ねて積み方を工夫することで、コンテナ2個での輸送に成功。この取り組みにより、CO₂排出量を年間78%削減し、温度管理精度の向上や破損リスクの低減といった品質改善、さらに年間数百万円の物流コスト削減も実現しています。。
(補足)本章は“輸送現場の直接対策”が中心です。資材領域は「無風=取り組みやすい改善起点」として、次章で具体策を提示します。
木製パレットからの置き換えも。手軽に始められる物流改善とは?

ここまでご紹介してきたように、物流業界では人手不足への対応やデジタル化、自動運転の導入など、さまざまな対策が進められています。とはいえ、設備投資や制度改革にはどうしても時間とコストがかかるため、「まずはすぐに始められることから」と考える企業も多いのではないでしょうか。
そんな中で注目されているのが、「物流資材の見直し」です。たとえば、パレットやコンテナ、梱包資材などを工夫することで、作業時間の短縮や人手の軽減、輸送効率の向上といった改善を、比較的手軽に実現できます。
特に、限られた人員と時間で効率よく作業を進めなければならない今、現場で使う資材の選び方は、業務全体の生産性に大きく影響します。大がかりなシステムを導入しなくても、資材を見直すだけで、即効性のある成果が得られる可能性があるのです。
こうした資材改善を提案しているのが、三井物産プラスチックです。同社は、40年以上にわたり物流現場を支援してきた経験を活かし、企業ごとの課題に合わせた資材の選定から納品までを一括でサポートしています。
代表的な取り組みとしては、「プラスチックパレット」の導入があります。従来の木製パレットに比べて軽くて丈夫で、繰り返し使えるため、コスト削減と環境配慮の両面で効果を発揮します。バラ積みからパレット積みに切り替えることで、フォークリフトの活用が可能になり、1回の作業で最大2時間の時間短縮につながるケースもあり、ニーズが高まっています。
そのほかにも、「折りたたみコンテナ」や「IBCタンク」など、多彩な資材ソリューションを展開しています。折りたたみ可能な資材は、未使用時の保管スペースを抑えることができ、拠点運用の柔軟性を高めます。液体の輸送においては、従来のドラム缶に比べて積載効率や作業性に優れたIBCタンクへの切り替えを検討する企業も増えています。

さらに同社は、単なる資材の販売にとどまらず、現場の課題を一緒に洗い出し、最適な改善策を提案する「物流資材コンサルティング」も提供しています。「まずはできるところから物流改善を進めたい」とお考えの企業様は、ぜひ一度ご相談ください。
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