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Project Story保護フィルム供給網を
コントロールせよ。

戦略企画・DX推進ユニット
S.望(2013年入社)

海外出張・駐在、外国語での渉外。商社の仕事は一見グローバルで華やかだが、実は細かく地道な作業も多い。特にサプライヤーとお客様の間に立つ身として、製品の在庫管理は商社の仕事の要の1つ。そんな在庫管理を徹底的に追求し、供給網のコントロールに奔走したS.望に、話を聞いた。

着任早々トラブル発生
緻密な調整作業の日々が始まる

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華やかなイメージが先行する商社の仕事、実はどんな業務が日々行われているのか、あまり知られていない。もちろん国内外を飛び回り、商材の売買交渉やお客様のマッチングをコーディネートすることもある。しかし一方で、なかなか日の当たらない地道な作業も多いのだ。その最たる業務が、製品の在庫管理だ。

「在庫管理という仕事は、まさに商社の仕事の要です。発注が多すぎたら在庫過多、少なすぎたら製造ラインがストップしてしまう。これだけはなんとしてでも避けなければいけません」

そう語るS.望は、複雑な在庫管理に苦労したひとりだ。S.望は東京の先端材料本部でフィルム材料の営業を担当していたが、入社5年目の秋、突然関西へ異動に。同部署の関西拠点で欠員が出たため、フィルムの経験があったS.望が指名されたのだ。担当は世界屈指の大手電子部品メーカー。当然扱う量も金額も、これまでとは桁違いだった。

「製品を保護するフィルムを扱うことになったのですが、フィルムというのは製品を製造する過程ごとに必要なので、完成するまでに何度も貼り替えるんです。ひとつの製品の後ろには、たくさんの保護フィルムの存在があるんですね」
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製品のタイプに合わせてフィルムのサイズも異なるため、それぞれの規格ごとに管理する必要があるという。担当するフィルムのタイプはエクセルシートで管理しているが、その行数はかなり膨大だ。毎日そのシートとにらめっこし、細かく在庫のチェックを行う。短期、中期、そして年間の製造量を日々クライアントとフィルムのサプライヤーに確認し、齟齬がないか、大きな変更がないかを調整していく。

「一年でこの量が必要です、と決められればよいのですが、どうしてもトレンドや社会情勢などによって、製品の製造量も変動するんです。そのため、それらを予測しながらフィルムの供給量を決めていく必要があります。誰も正解がわからない仕事ですね」

S.望が着任したその年末、トラブルが起きた。着任前に調整されていたはずの在庫が想定外に膨らみ、オーバーしそうだという。ただでさえ年末年始の休みをはさむ時期。S.望は頭を抱えた。方々に連絡し、その時にできる限りの社内調整を行い、クライアントやサプライヤーと交渉。年明けからの使用計画まで細かく確認し、なんとか乗り切った。

「今だから話せますが、実は通常時の倍程度の在庫を抱えてしまっていたんですね。さすがに焦りました。でも、そこで在庫管理の重要性や難しさ、商社である当社の立ち位置、そしてトラブルへの対処法を学んだので、この経験は大きな財産になりました。おかげでクライアントの製造ラインを止めたことは一度もありません」

「それぞれのロジックがある」
それを理解することからこの仕事は始まる

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S.望が担当した業務では在庫管理にかなり重点が置かれていたが、量産開始後の商社の役割は、案件によってさまざまだ。そのため、どこまで営業担当がフォローするかは案件次第、もしくは担当者次第となる。S.望は、商社は「いかにサービスできるか」が存在価値だと考え、時には顧客の調達物流担当の範囲までフォローしていたという。そんななか、一番難しかったのは、やはり将来予測だった。

「在庫をどれだけ持つかというのは、将来の需要をどう見るか、ということ。どれだけ需要が高まるかは、本当に誰もわからないわけです。しかし『わかりません』ではサプライヤーも不安になります。確証がないまま作れませんからね。そのため、クライアントのデータを分析したり、参考になりそうな業界のデータを引用したり、根拠となる資料を自分なりに作成して説得材料としていました。ここが商社パーソンの腕の見せ所ですね。製品を右から左に流すだけではない。自分がいる意味を発揮する必要があります」
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そんな緻密な分析と丁寧なフォローの積み重ねで、S.望は信頼を獲得していった。難しい局面もあったが、乗り切ったときはやりがいを感じるという。

「難航が予想された交渉がうまくいったときに、帰り道にサプライヤーの方と飲むビールは格別ですね、一緒にがんばってきたからこそ。日々綿密にコミュニケーションしていると、担当者同士は親しくなるんですよね。うまくいったときにともに喜びを分かち合える仲間がいるというのは、素晴らしいことだと思います。この仕事をやっていてよかったなと心から思える瞬間です」

日々の足元の仕事が信頼を生む
未来の可能性はそこから始まる

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その後、S.望はこの仕事を3年継続し、現在はデジタルマーケティングの部署へと異動した。これまでの業務とは一変し、これまでやったことのない新たな挑戦をする機会が多い部署だ。それでも、やはりこの時の経験が土台となっているという。

「新しいことをしようとしたときに、相手が賛同して一緒に動いてくれるかどうかは、信頼関係があってこそなんです。それまで足元の仕事を着実に丁寧にやっていたからこそ、新しい試みに対しても『じゃあやってみるか』と言ってくださるんですね」

そう語るS.望を動かすモチベーションは、いったいどこにあるのだろうか。
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「根っこの部分に、『相手をがっかりさせたくない』という気持ちがあるのだと思います。だからこそ、自分にできる限りのサービスはしたいです。在庫管理の仕事のときも、正直こんな細かい作業、人がやることか?と最初は思いました(笑)。でも、ただの数字ではないので、人にしかできないんですよね。だから、『ここまでやってだめなら、もう仕方ない』と、そう思えるまでやれることをやる。それが自分の大切にしていることです」

必要なときに、必要なものを持っていく。それが商社の仕事の基本だとS.望は言う。それを忘れてしまうと、在庫管理はただのルーティン作業となってしまう。一見地道な作業でも、どこまでサービスできるか、どこまで自分が担当として立つ価値を出せるか。そう思いながら仕事をすることが、未来の新たな可能性の土台となっていると、S.望は語る。

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