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pic業界を知る2023年5月30日

「マスバランス方式」バイオマスプラ製品、エコマークの申請が可能に

エコマーク申請の方法と注意事項

2023年2月1日より、マスバランス方式バイオマスプラスチックを使用した製品についてエコマークの申請が可能となりました。具体的には、マスバランスに関する国際認証を取得した製造業者はマスバランス方式バイオマスプラスチックを使用して製造した自社製品に関し、エコマーク付与申請をすることが可能です。エコマークの申請には国際認証に準拠し、製品に使用する原材料から製品までサプライチェーン全体で国際認証を取得しておく必要があります。

「マスバランス方式」バイオマスプラスチックでエコマークの申請が可能に

エコマークは、環境省所管の財団法人日本環境協会によって1989年に制定され、現在は、国際標準化機構(ISO)環境ラベル表示のType1として運営されています。エコマークはより多くの会社に普及しやすいように制度設計されており、申請費用2万円~と安価、証明書類で申請・取得が可能です。現在、会員数は1400社以上、日本国内における代表的な環境認証となっています。 2023年2月1日より、マスバランス方式バイオマスプラスチックを使用した一部の製品について、エコマークの付与申請が可能となりました。エコマークの申請にあたっては、マスバランス方式の特性上、サプライチェーン全体で管理する国際認証等に準拠している必要があります。マスバランス方式プラスチックを使用した製品の認定は、日本国内の環境ラベル制度では初めてとなっており、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、バイオプラスチックの活用の拡大、消費者への認知向上の一助となることが期待されています。

エコマーク申請が可能となった製品品目 (2023年4月現在)

2023年4月現在、エコマーク申請の対象となっているマスバランス方式バイオマスプラスチック使用製品は「飲食料品、化粧品、家庭用品などの容器包装」です。 具体的な3つの該当製品とそれぞれのマスバランス方式バイオマスプラスチックに関する認定基準(バイオマス由来特性を割り当てたプラスチックの重量割合)は以下の通りです。

参照先:https://www.ecomark.jp/info/release/PR22-13.html

①プラスチックを使用した多重容器包装

定義:内容物の品質保持(品質保持期限の延長など)のために用いられる複数のパーツからなる多重容器包装であって、構成要素の一つ以上にプラスチック製容器包装を使用するもの。

認定基準: 成型品など 25%以上 / ラミネート包装材 10%以上

②容器包装用プラスチック製資材

定義:容器包装用のプラスチック製資材としてシュリンクフィルム、ストレッチフィルム、汎用容器(弁当容器、食品トレー等)、結束用テープ及びプラスチック製緩衝材などが対象。

認定基準:成型品など 25%以上 / ラミネート包装材 10%以上

③バイオマス由来特性を割り当てたプラスチックを使用したプラスチック製容器包装

定義:内容物の品質保持(品質保持期限の延長など)に機能するプラスチック製容器包装。

認定基準:成型品など 25%以上 / ラミネート包装材 10%以上

エコマーク申請のための具体的な方法と注意すべき点

エコマーク申請にあたっては、ISCC PLUS等のマスバランスに関する国際認証を取得している必要があります。認証においては、バリューチェーン全体での管理が求められ、原料となるバイオナフサ、樹脂メーカー、樹脂の調達先となる商社、樹脂製品の製造や二次加工を行うメーカーまでの各事業者がバイオマス使用量のトレーサビリティを確保する必要があります。例えば、エコマーク申請の対象となっている容器包装の場合、実際に容器包装を製造する事業者まで認証を取得している必要があります。

一方、実際に容器包装を使用し、自社の製品を消費者へ販売するブランドオーナー(ブランドホルダー)自身は認証取得の必要はなく、製品毎にエコマーク申請するのみであり、ISCC等のマスバランス認証を取得している容器包装に内容物を充填した最終製品の容器や外箱等にエコマークをつけることが可能です。 マスバランス方式バイオマスプラスチックを使用した場合、エコマーク以外の表記、例えば、「バイオマス成分を一部含有している」といった表記はできない点には注意が必要です。昨今、植物由来材料を使用した製品での景品表示法違反などの事例もあるため、製品表記については注意が必要です。上市前に表示見本をもって消費者庁などに相談する等、確りとルールを理解し、消費者への誤解を招かないための配慮が必要です。

おわりに

マスバランス方式のバイオマスプラスチックは、従来品と同等の物性のため、加工設備・条件を維持したまま使用できることや、従来の重合方法では製造が難しかったPP等のプラスチックでもバイオマス化が出来る事が特徴です。そのため、これまで物性や成型条件が課題となり採用が難しかった用途などへの活用が期待されています。環境対応という社会的なニーズが高まる中で、従来のプラスチックと同等の品質を持つマスバランス方式のバイオプラスチックはますます注目されています。

弊社・三井物産プラスチックは、ISCC PLUS認証を取得しており、マスバランス方式の製品の取扱いも積極的におこなっております。ご興味のある方はぜひ一度お問い合わせください。

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